【ToO #3】羽鳥和重(前編) ~工夫とかじゃない。とにかく全力で~

Top of Orienteering 第3回は日本でも少しずつ愛好者、競技者が増えているマウンテンバイク・オリエンテーリング(MTBO)を引っ張る羽鳥和重選手へのインタビュー。Top of Orienteering 最新記事はオリエンテーリングマガジンでもご覧になれます。

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8月にチェコで行われたMTBオリエンテーリング(MTBO)の世界選手権。日本のエースとしてチームを引っ張ったのは今年49歳になる羽鳥和重。オリエンテーリング界に様々な形で関わってきた羽鳥は今、MTBOで戦っている。日本のエース、競技者としての確固たる姿勢に迫る。(前編 取材日2015/8/31)

ものすごくチャンスがある

―2010年からMTBOの世界選手権に出られるようになりこれまで順調に成績を伸ばしてきました。今年はミドルで49位、ロングこそ失格になってしまいましたがタイムは37位相当。数字だけ見るとよいパフォーマンスを出されたように見えますが、実際のところ手応えはどうでしたか?

今年はすごく手ごたえがありました。走力的にはトップの115%で走れると思っていて、そんなにいいレースをしたわけではなかったが120%前半で走れた。MTBOはちょっとミスしちゃうと巡航速度が一気に落ちてしまうのでそれは納得しています。順位は最もよくて30位付近までいければと思っていて、40位は切りたいと思っていた。

―それはロングの目標ですか?

ミドルでも切りたいと思っていたけれど、ミドルはあまりにも出足が悪くてしゃあないという気はしています。予選通るのは当然だし(※1)、30位切るというのは目標ではあるんですよ。多田(※2)がイタリアで22位出しているし、そこをずっとターゲットでやってきているんで。パンクしていたので、タイム的にはもっと上に行けたと思います。だからそれを考えるともう30位は実感としていける。ただスプリントはこのところ難しくてなかなか。

―難しいと言うのはテクニカルな面で、ということ?

そう、全然無理。無理っていう言い方は変だけど。

―なんとなくイメージではスプリントは瞬発力が必要で年齢的な問題で厳しいと思っちゃいますがそういうわけではないんですか?

違います。むしろ瞬発力だったらいける。コースがとにかく難しい。ほんとに。

―難しいと言うのはフットと同じでルートチョイスが難しいということですか?それともルートを辿るのが難しいミドルのような意味?

とにかくスピードが出るでしょう。で1:5000とか大縮尺の地図を使う。そうなると道とか見ていられない。覚えていても全然追いつかない。向こうの選手はそれでも器用にやっているが、僕らはそれを練習する環境もない。環境さえあれば例えば10回とか練習できればだいぶ違うと思うんだけど、そうでなければなかなか。もっと単純なコース、アーバンを抜けて山を登って降りて来るとか、昔みたいなコースなら40位とかもっと上に行けると思う。

スプリントは去年のポーランドがめちゃくちゃだったのでとにかく。だから今年はそれに比べれば悪くないレースで、まあまあのところ(59位)に落ち着いた。いいレースでは全然なかったけれど、悪くないレースでもそのくらいにいけたので、もしいいレースが出来たら30位は見えたなっていう気はします。

―比重としてはロングに重きを置いているのですか?

はい。

―それには理由がありますか?

ヨーロッパの選手よりも登りが強い、絶対。斜度が強くなると圧倒的に強くなる。MTBOのロングはすごくタフで、時間も長いし距離も長い。2時間超えちゃう。ヨーロッパの選手は身体が大きいので、そうすると登りはどうしても相対的に弱くなる。僕は日本の中では登りが強いわけではないのだけど。

―日本の中ではと言うのはMTBOチームの中でということ?

ではなくてMTBのエリートの選手に比べれば登りは普通。でもヨーロッパの選手に比べれば相対的には登りが強くなるので、ロングのコースのほうが有利。来年のポルトガルも絶対に登りがきつくなり、コースはもっと単純になる。ものすごくチャンスがあると思います。

今はほんとに「あぁ」っていう大したことのないレースでも120%くらいで走れる。感覚では115%くらい出せていると思うのだけど、あとでラップを見るとやっぱりミスルートをしているのでまだまだ課題はあるんですが。

―MTBOのルートチョイスは難しいのですか?

ルートチョイス、なんであんなに難しいのかね。

―ルートを読み取るのが難しい?

ベストルートが見えない。今回のチェコは走りやすくルートチョイスに困らないはずなのに少ないルートの中でもベストルートが隠れていたりして、それをトレースできなくて15秒、30秒と失ってしまう。で、さらに迷うと1分ちかく失ってしまう。

―ちなみにロングで失格になってしまった理由は?

手前のコントロールを取ってしまった。MTBOは同じライン上に2つコントロールが置かれることはない。ディスクリプションがないので。道の上にコントロールが出てきたら、特にロングなら、自分のコントロールとしか思わない。番号も確認しなかったし、一瞬あれっと思ったけど、パンクもしていて焦っていたので、今空気が完全に抜けてしまったら目の前の会場にも戻れないので、そのときに2,3秒捨ててでもひと手間かけて確認するという頭がなかったのですごく残念。悪い順でも37位という成績が欲しかった。30位台は久々だから。一昨年、多田がミドルで36位を出して以来だから。

効果的かとかは関係ない

―そんな中で来年以降目指すところはどこにありますか?

正直、走力的には30位に入るレベルにある。20位のラップも出ているし、一昨年だったら1ケタのラップも出ているし、脚力的には行ける。でもMTBOってなかなか、うまく回転しないとよいラップを続けられない。リズムが狂うというか、自転車ってフットに比べたら追い込んでしまうので。

―心拍数が上る?

上っちゃう。で下りで休むというのの繰り返し。フットは追い込みすぎたら走れなくなってしまうので、そうできないんだけど、MTBOは常にそういう状態に置かれるので、よく足を使い切っちゃう、たれちゃうという状態になってしまう。で、そうならないようにと考えているとスピード維持が難しくなる。でもMTBOの実力は毎年毎年上がっているんですよ。トレーニングたくさんしているので。だから来年はもっと行けるんじゃないかと。昨日(8/30)もMTBのレースで21人出ているエリートで9位だったし、純バイクレースでかなりいけるようになってきているので、来年までトレーニングを続けて、すごい辛いんだけど、とにかく1年間やることも目標。

―トレーニングはどのくらい辛いのですか?

とにかく辛い。毎日もうやめると思っているんで、それが僕のトレーニングが特徴で、今僕のトレーニングは月50時間超えるくらい、年換算すると600時間以上、700時間まではいってないけど、それに近いくらい。

―ということは1日1時間半から2時間くらい?

週で考えていて、平日は8回やって、週末は必ず乗るようにしている。週末はレース以外はそんなに追い込まず、実走で5時間くらい、ちょっと長めに乗ることもあるのでトータルで言ったら月25時間くらい。

で平日は週8回、月35回くらい回数があって、だいたい25時間くらい。平日のトレーニングは手を抜かない。全部全力。ハートレートで165~170くらい。アップもしない。最初から全部ツッコム練習。とにかく毎日苦しいトレーニングを積んでいる。

それが僕の特徴で、なんでそんなに苦しんでいるかと言うと、日本のMTB界には40代でトップクラスの選手が何人かいる中で、たぶん僕もその中の1人だけど、みんなトレーニング時間が多い。たぶん700時間とか800時間とか、年で2万4千キロ走っている人もいて「車かっ」て。その距離やるには1000時間くらい必要になる。そんな時間とても取れない。だから僕は苦しんでいる時間を他の選手よりも絶対に多くしてやると考えた。だからそれが効果的かとかは関係ない。とにかく踏む。

僕の今の練習方法は50秒全力でこいで10秒レストっていうのを30本、30分。だいたい5本目くらいで嫌になって、あと25本はなんとか頑張る。ランニングに例えると1000m+200mのインターバルを全力で6本くらいやる感じなのかな。それを週8回やる。とにかくこれは僕にとっては全然つらい。だけど僕が目標にしている選手はこれを40分、週5、6回している。だから僕も週1、2回は40分でやっている。それ以外の選手にこういうトレーニングやったことあるって聞いたら「やったことあるけど10本が限界」とか言われるくらい辛いトレーニングで、それを週7~8セットやる。

―それ以外のトレーニングはしていない?

ランもやっている。週1回。自分のマンションの階段を1分30秒全力で登って、1分30秒全力で下る。それを40分。まぁ1分30秒なら下りはだいぶ楽なんだけど、それをやっておくとフットも走れる。今年も福島の全日本に出てM45Aで優勝している。タイム的にはM35Aの上位よりも全然速い。もしかしたら21Aでもいけるくらいかも。

ランは練習しないと全然だめ。たまに1000m2本もやるんだけど。僕は2本で3’30がせいぜいだけど、その階段走を入れていれば3’30は全然問題ない。

―バイクのトレーニングは実走?ローラー?

ローラー。僕はローラーしかしない。それもバイクの選手としてはあまりない。みんな実走好むし、時間踏むことを好むので、ローラーの割合は2割くらいじゃないかな。でも僕は25時間と25時間だから半分はローラー。

―自宅で?

そう。あと会社のジムでもスピンバイク(※3)踏めるので、その2か所でとにかく全力。30分やると決めてやるんだけど、5分でいやになる。もうこの競技やめてやるって思う。15分くらいで限界がきて、20分で数が数えられなくて、次23回と思ったら25回だったり、25回だと思ったら20回だったり、ほんとにもう酸欠でだめになる。

でも、みんなやっているんですよ、朝4時に起きて練習する奴とか。何が違うって外の世界を見てしまったので、馬鹿みたいに練習する連中を。それを見ちゃったら、量なり質なりで彼らに勝たなくちゃいけない、とにかく勝ち負けなんですよ、勝ち負け。

シクロ(※4)でも僕は来年50歳になるけど、50代ならトップになるし、40代でも優勝狙えるところにいる。日本で3本の指に入るところにいる自信がある。

―そのくらいの年齢になると身体的な衰えを感じるという話はよく聞きますが、まだまだそんなのは感じませんか?

う~ん、感じる、のかもしれない。でも伸びているからわからない。普通にやっていれば0.5~1%は衰えると言われていて、特に50代では1%ちかく毎年落ちていく。でもそれを上回るペースで、今は1~2%という設定で来ているので、この5年で10%はよくなっている。とにかく全力でやるというトレーニング方法だから、これだけやったから満足というのではないので。時間や距離に満足しない。

―それは仕事や家庭があるなかでその方法ならできるという考えがあって?

いんや、全然工夫とかじゃない。とにかく全力でっていう考え。50秒10秒っていう設定もトップの選手がそれをやっているからってだけ。もしかしたら40秒20秒のほうが効率よいのかもしれないけど、そんなの考えてる時間があったらそれをやるだけ。

回復も考えないので僕は。他の選手は絶対回復考えるんですが、僕は回復という概念をもってない。レース前はさすがに落としますけど、普段は考えないし、レースが終わった次の日はみんな回復の日って言っているけど僕は全力でやる。日曜日も午前中にレースが終わって帰ってきたら午後とか夕方にトレーニングする。

―とにかくやれる時間ができたらいつものトレーニングをする、と。

そう。オーバートレーニングに繋がるとかいうけど、そんなこと言ってらんないですよ。強い選手みんなやっているから。食事制限もしている。

―食事制限も。具体的には?

昼を食べない。昼食べないでトレーニングしている。あ、でもコンビニのロースハム45gは食べる。トレーニング終わった後に。朝と夜だけちゃんと食べる。

平日は絶対酒は飲まない。人と会う時や仕事のときは飲むこともあるけど、飲みたくても時間がないので絶対飲まない。飲む時間があったらとか、夕食に時間かけてとかだったら絶対に踏む。

会社で飲み会があるってときも、接待だったらしょうがないけど、部署の飲み会とかだったら基本的には6時から始まりますって言われたら「すみません6時半から参加します」って言って会社のジムでやってから30分遅れていくか、酒を飲まないで30分早く帰りますって言って家帰ってから踏む。踏むためにはしゃあない。やらないと勝てないから。そこで妥協できないじゃないですか。とにかく他の人たちに勝つためには、連中はやっているので。それだけ。

だから僕がフットの時に全然大した選手になれなかったのは、そういうめちゃくちゃやる人を知らなかったっていうのが大きいですね。自転車の世界はオリエンテーリングの人口から比べたらMTBだけでも10倍ちかく、1万人くらい、ロードはMTBの20~30倍だから数百倍はいる。20~30万くらいいるわけだし。すごい連中がいっぱいいる。

プロセスがなくちゃ結果は出ない

―MTBOというよりはMTBのほうにのめりこんでしまった?

いや、最後はやっぱりMTBOですよ、オリエンティアなんで。40代後半でやっぱりそんなに伸びると思っていなかったし、トップの選手はマスターズでもものすごく遠いし、想像つかなかった。ただ多田が22位を取ったので、あのレベルにはなんか追いつけたいと多田を追いかけてやってきた。2010年からは世界的もMTBOはすごい人口を増やしていて、レベルがぐんぐん上がって、決勝60位というレベルが今は120%くらいまで高まった。

フットと違ってMTBOのトップ選手はMTBのトップ選手なんですよ。オーストラリアのAJことAdrian JacksonなんかはオーストラリアのMTBのナショナルチャンピオンだし。オーストラリアって自転車王国で、そこのMTBのチャンピオンっていったらもうスター、プロ、超人レベル。日本人じゃ誰も勝てない。フィンランド代表のトップ選手も2013-2015年までMTBで3連覇していてロードバイクでも勝っている。そういうスター選手がMTBOをやっている。極端な話、フットならマラソンのトップ選手、日本のマラソン選手が絶対敵わないっていうレベルの選手がオリエンテーリングをやっているようなレベル。

―そんなスター選手にもMTBOなら近づける。

うん、魅力ありません?フットって人口は多いけど世界的に内向きでオリエンティアばっかりだけど、MTBOは外の世界とつながっているというのも魅力の1つ。それはフットと決定的に違うところだと思います。

まぁフットも中堅国の選手だったらその国の陸上の代表レベルっていうのはいるから一概には言えないかもしれないけど、少なくとも日本のフットは今になって思うと不満ですね。過去30年、僕が見てきた中ではマラソンを2時間30分切った現役オリエンティアはいない。でも僕の会社のラインニング同好会の知り合いなんかは40代後半でも2時間30分切る選手がいる。で、彼らと話していると2時間30分を切る選手は1年間で300人、実業団に300~400人いる。マラソンには出ないけど高校生とか5000m15分切れる選手なら当然そのくらい出せるはずで日本で1000人は2時間半を切れる人がいるはずなのに、この1000人に1人もオリエンティアが入っていないってどういうことって話ですよ。

でやっぱり会社勤めしている別のランナーも2時間30分切りたいと思っていて、でもなかなか切れない。あるとき実業団の監督と話をする機会があったようで、「どうすれば2時間30分切れるでしょうか、僕月600キロは走っているんですけど」って聞いたら、その監督は「700キロ走れば必ず出せます」って。やり方とか関係ない。勝ちたいとか代表とかって何の目的もない、ただ走ることが趣味な人たちが2時間30分とかってレベルにいるのにそのレベルに全然達していない。

でもそれには理由がある。そういう人がオリエンティアの周りにいないじゃないですか。いたらみんなそこを目指す。僕のMTBチームの選手が今年からプロになった。プロになるほどの彼の練習を見る、実感する、話をする、そうすると自分のレベルが彼に比べると全然大したことない、言うのも恥ずかしいくらいなんですよ。そういう話を聞ければ、やる気のある人間はやるはず。オリエンテーリングやっているとそういう話を聞くことがないし、自分がそのレベルに行けると想像もできない。でもそのレベルでやればそのくらい行けるよっていうのはわかるんで、間違いなく。そういうチャンスがない環境に置かれ続けているのは不幸だし、そういう環境を30年間作れていないっていうのが残念。

―そういう環境を用意するためには組織としての取り組みが必要だと思いますか?

組織としてもだし、個人としても外に出ていけるはず。ランニング同好会入れば2時間30分で走れる人はたくさんいる。そこで走って話をすれば環境は作れるはず。

でもまぁいきなりそういうのは難しいとは思うんですよ。僕もMTBOはじめて5年、初めのうちはMTBのトップに話を持って行くことはなかなかできなかった。自己紹介するくらい。でも年代別とは言えトップ選手になってようやく日本のトップやプロ選手と話ができるようになるし、興味あるからMTBOやってみようかなというプロの選手も出て来る。

簡単に外から選手を連れてこられるなんて絶対ない。例えばフットの世界選手権が2年おきに変更になってスプリントを間にやることになった、だから陸上のトップ選手を連れて来て強化しやすくなるなんて話もあるけど、そんなの今の状態じゃ絶対無理。だってどうやってその伝手を作るのよ。MTBでこれだけプレゼンスのある僕でもプロ選手を連れて来るなんてのはできなくて、ようやく話ができて、たまに興味あるなっていう選手が見つかる程度。そんなことやろうと思うなら、オリエンティア自身が例えば2時間10分台で走れるようになって実業団レベルで走れるようになってようやく話を聞いてもらえるレベルになるんじゃないかな。

だからどこかで誰かがやらなきゃいけない。プロセスがなくちゃ結果は出ないから。例えば小泉君(インタビュアー)が明日から800キロ走るトレーニングをやれば、年齢的には全然無理じゃないだろうし、世界選手権の30位も現実のものになるんじゃない。やればいいだけの話だけど、じゃぁやろうと思えるかどうか、魅力があるかっていうのはまた別の話。誰も助けてくれないし。僕はたまたま周りに期待してくれている人もいてそういう環境に恵まれていたとは思うけど。

でも昔からやっている国で日本だけですよ、20位とか30位とかに入って来る選手を出せてないのは。でもそういう外れた選手が1人、2人出てこないと国として上に行くことは絶対無理。年齢とかは関係なくて、どれだけ自分の時間を削ってやるかですよね。僕は月60時間が限度で、連休のある月とかは70時間できるときもあるけど、50時間できればよいくらい。バイクの世界でも仕事しながら、アマチュアでトップに近い選手がいるけど、その人たちはどんなに仕事が忙しいときでも月80時間は踏めると言う。全然レベルが違う。みんな寝ずにやっている。そういう人をみると全然甘いなっていう気がする。

僕の置かれている状態、40位以内は確実で次の目標は30位以内取れるというのは、フットでも同じレベルじゃないかと思っていて、同じくらいトレーニングすればフットでも30位、120%切るくらいは出せると思う。だからやりゃいいだけの話。プロセスを踏むだけ。結果はどうなるかは別の話だけど、プロセス踏まなきゃ結果は出ない。どこかで誰かがやらなくちゃいけない。そういう意味でも僕はバイクを踏んでいるというのもあるかも。

いや違うか、MTBは自分のためだけにやっている。まだここ数年は伸びる気がしているし、これ以上伸びないなっていう理由も何もないし。MTBでも52歳で速い選手がいるけど、彼は月90回トレーニングしている。勝ち負けにこだわりたい。

強烈なまでの覚悟と勝負へのこだわり。このスポーツに真剣に取り組むことの意味をあらためて考え直したくなる言葉が次から次へと繰り出される。

なぜ彼はそこまでMTBOにのめり込んだのか。選手としてどのようなキャリアを積んできたのか。さらにマッパーとして、またEMIT管理者としても数多くの実績を持つ。どのような想いでオリエンテーリング界に関わってきたのか。とても興味が湧いたので時間を延長して話をきかせてもらった。(次回に続く)

※1 ワールドランニング上位者やミドル、スプリントの上位者がロングの出場枠を獲得できる。今回はミドル50位以内でロングA決勝進出。
※2 多田宗弘選手、2011年にロング決勝22位を獲得。
※3 エアロバイクよりも高度なタイプの室内トレーニングマシン
※4 シクロクロス。オフロードで行われる自転車競技の1つ。

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