インカレに向けての準備2「勝負する」「賭ける」

鈴木康史


どうすれば優勝できるか、どうすれば2位が取れるか、どうすれば3位が取れるか、 さまざまな道が見えてきたはず。例えば、優勝のためには、細い、一筋の道が。
それは、けど、今日を最後に考えないでおこう。
優勝するためには、じゃあ、自分は何をすべきなのか。
夢と、自分に出来る具体的なあたりまえの目標とを、ちゃんとつなぐこと。

例えば、小泉が紺野に迫るタイムを出せば、優勝は見えてくる。
それなら小泉のやるべきことは優勝を目指すことではなくて、 紺野に迫るタイムを出すこと。じゃあそのためにはどんなレースをすればいいのか。 レース中どういう動作をすればいいのか。小泉の「勝負所」はここだし、 チーム全体の「勝負」も、ここにある。

野口は、愛好会員全員で優勝したい。 しかし、野口は今「優勝する」仕事を一番大きく背負う立場にいる。 じゃあ、まとめることは、他の人に任せてもいい。 (口に出さなくても、そんな役割が生まれてくることが、本当にチーム。)
安定している、という野口の走りは、しかし、 とびきり速くはない、という裏返しだ。じゃあどうするのか。 野口の「勝負」は、たぶん小泉とは全然違った場所にあって、同じぐらいに重い。

みんな等しく、やるべきことがある。
そして、やるべきことの一番果てに、「勝負せねばならない瞬間」がある。
ここでがんばれれば勝ち、くじけたら負け、そういう瞬間、つまり、 勝負の帰趨が一瞬に凝縮された瞬間、それは、結果を恐れず 「賭け」ねばならない瞬間。そういう瞬間が、この一年間の長いレースを通して、 すべての愛好会員にあった筈だ。
リレーメンバーは、最後に、 その賭けを託された人たちに過ぎない。
彼らは、こういう形でチームとしてつながる。自分がここで頑張れば、他のメンバーを助けられる。 みんながそう思ってたら、少々の失敗は大丈夫。 シミュレーションの基本はこれだったはずだ。

僕は、どんな勝負をしなくちゃいけないか、 どうやったら賭けに「勝てそう」なのか、いつがその瞬間なのか、 それしか教えられない。その瞬間に立ち、賭け、勝つ、ことは、 もはや君たちの領域だし、それがもちろん一番たいへんなこと。 で、それを越えて、それでこそ結果が君たち自身の栄光にもなり挫折にもなる。
何もかも背負って、自分の足で立てますか??

私は私のの役目を最後までやり尽くします。 けど、もう、だいたい終わった。あとはしっかり見てるだけだな。

最後に、しつこいですが、アタック、 脱出(特に増田)には特に注意すること。
自分に出来ることを徹底的にやり尽くすこと。
手続きをきっちりやり抜くこと。自分の役割に徹底的に集中すること。
ゆっくりレースすること、止まれること。そのための勇気を持つこと。
これが一番難しい「勝負所」なんだから。「必死で止まる」特に佐々木。