インカレに向けての準備

鈴木康史


「認識においてはペシミスト(悲観主義者)であれ、
行為においてはオプティミスト(楽観主義者)であれ」

冷静な現状把握と、楽観的なレース運び


1.自分に出来ること

レース中に、決して、自分のやったことを後悔しないこと。 ミスをきちんと受け入れる。
出来ることしか出来ない。
これを絶対に忘れないこと。
だから出来ることを徹底してやる。

ミスして順位が悪くなるのは誰の責任??自分。
誰も悪くない。刻々と変わる自分たちの状況を常に受け入れてゆくこと。
その状況の中で何がベストかをクールに判断する。

こういうことは、生半可な準備では出来ない。
過去のレースの徹底的な反省と徹底的な イメージトレーニングをこの1ヶ月で行うこと。
どんな状況でも対応できるための「軸」を持つ。
「軸」=自分のレース・レース運び・それに向けての準備=自分に出来ること


2.役割を果たす

リレーは全員で走る。これは、妙に精神主義的な意味じゃなくて、戦略として。
自分のやるべき仕事・役割は何?
いろいろとシミュレートしよう。イメージトレーニング。
本気のイメージトレーニング。(グラップラー刃牙の烈海王戦を読め)
「本当に望んだことしか成し遂げられない(村越)」
自分の役割を徹底的にやり遂げるという、実は一番困難な作業をわれわれは目指す。
これに比べたら雰囲気・チームの盛り上がりに逃げる方が楽。
雰囲気に逃げない。チームワークに逃げない。自分は自分。他人は他人。
その果てにある連帯を目指して。
(スラムダンクを読もう!!僕の書いた文章も)


3.一番大事なことは・・・・

けど、上のようなことは実は別に大したことじゃなくって・・・

ゆっくりとプランニングする。
(ちなみに、この「ゆっくりの速さ」が「実力」というものですな)
プランはアタックポイントから決める。手続きを怠らない(特に予期を中心に)
不安感を大事にする。不安になったら止まる。
アタックが中でも最も大事。アタックは慎重に。
しつこいようだが「三原則プラス1」

こういった今まで言い続けてきたこと
これを徹底的にやろうとする集中が、もっとも結果を出すことのできる集中
これに集中すると、緊張している暇はない、プレッシャーを感じる暇もない
なんせ、手続きを完璧にやり抜くなんて、常人には無理なことだからね

ここまでやって駄目ならば、それは相手がすごかったということ。 それ以上に今までの積み重ねが甘かったということ。 だから来年につなげればいい。ただし、来年につなげるためには、 今年とことんやってないとダメ。悔しさなんて、明日の快楽には勝てないよ。


4.準備でミスを減らす

これからが本格的に準備期。「準備」「備えること」は、総合的。
トレーニングはもちろん、あらゆることを行おう。
何が今もっともやらねばならないことか。
すでに4月からレースは始まっていた。
すべての人が、ミスをしまくりながらここまでやってきた。
オリエンテーリングが速くなるためには、オリエンテーリング以外のすべてはミスだ。
ケガというミス、授業というミス、卒論というミス、 アルバイトというミス、今日は走らなくていいやというミス、 アナリシスをさぼるというミス・・・そういった、 競技に差し支えるあらゆるものを、何とかやりくりして、 ミスを最小限にした人が、勝つ。単純で冷たい話。

もちろん、楽しいことはいっぱいある。
人生に重要なこともいっぱいある。
だけど、インカレで優勝するといったのは自分たちだ。
インカレという世界は、そういう冷たい世界だ。
その世界に足を踏み入れた。なら、その世界のきまりに従わないと勝てない。
いくつかの世界が君たちの中で衝突している。楽しく過ごす世界、人生という世界、 インカレで勝つための世界、これらを何とかやりくりして、僕らは生きている。

結局あなたのすべてが問われている。
本気で優勝したいのであれば、 いいわけは不要。言葉も不要。
とにかく、自分を追い込んで、 自分で自分の心の嘘を一枚一枚はぎ取って、結果を出してもらいたい。
すべてはあなたの責任。どこまで本気になれるのか。
自分が一番うそつき。自分が一番本気になるのを怖がっている。
そういう自分を叱りとばす、これからの数週間は、そういう世界に生きましょう。
案外これが充実感あるのよ。新しい自分てのがホントに見つかったりする。